- 71 -特集Ⅱ：マルガレータ・ニコレスク氏追悼ことはなかった。あのアクセントを聞けば、私がすぐに女史からの電話だと気づくことをよく知っていたのだ）。電話でも彼女らしく、余計な前置きをせずストレートに質問や話の核心に入っていったものだった。そしてもう一つ残念なことがある。彼女が心を開いて率直に、プライベートや仕事にかかわる私の話に付き合ってくれて助言を与えてもらえるような、幸せな時間が来ることはもうなくなってしまったのである。彼女が忘れ去られることはあるまい。そして、未来の世代にとって彼女が単なる現代人形劇史に名前が出てくるだけの歴史上の人物になったとしても、その足跡は長く人々の記憶に残り続けるはずだ。彼女のあらゆる記憶に栄光のあらんことを。そしてマルガレータよ、安らかに眠り給え。（「ロートカーシュ」 2018.第3号掲載）［筆者］ニーナ・マリコーヴァチェコの演劇評論家、歴史家、ジャーナリスト、翻訳者。彼女はチェコの人形劇専門誌「ロートカーシュ」の編集長、ウニマ（国際人形劇連盟）の執行委員を歴任。現在も多くの人形劇関係の出版、展示会の監修を務めている。１９８８年来日。ウニマ評議員。プラハ在住。ウニマ・プラハ大会（1969年・チェコスロバキア）ポスター
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