リュブリャーナ人形劇場のロゴ（スロベニア）本誌では実に31年ぶりに、全国の人形劇場現況調査を行いました。前回（1991年版）調査時は伝統人形芝居専用劇場もいくつか含めて掲載しましたが、今回は現代人形劇専用劇場に限定しています。劇団が稽古場を公演会場として使用しているケースも含めました。1991年版に掲載された「日本の人形劇場一覧」（122頁）には全国で31箇所の劇場が掲載されていますが、今回は16劇場の掲載となりました。1991年当時の記述には「ここ二十年ほどのあいだに日本にも人形劇場がいくつかでき」たとあり、1970年代から80年代にかけての現代人形劇の発展のほどがうかがえます。対して前回調査から今回までの30年強のあいだを見ると、数としては半数近くに減少しました。とはいえ2020〜2021年のコロナ禍を経ても、それぞれの劇場が特色ある活動をし続け、それぞれの地域で存在感を放ち続けているということにこそ、数に還元されない確かな価値があると言えるでしょう。現代人形劇の活動を全国で下支えしている各劇場の活動にあらためて目を向け、2050年までの次の30年間、日本の現代人形劇の進むべき道に思いめぐらせる一助となれば幸いです。- 67 -◉特集Ⅲ 日本の人形劇場
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